Read with BonusRead with Bonus

379話

「ちょうど通りかかって、上に書いてあるのを見たんです」

「時間ある?あるなら一緒に行かない!」

「車に乗って、中の駐車場まで直行しよう」

集華マンションの地下駐車場に着くと、スーツ姿の江雪は薇薇を連れて16棟2号ユニットへと向かった。

歩きながら、江雪は客へ電話をかけていた。

客がすでに8階に到着していると聞いて、江雪は薇薇に足を速めるよう促した。

8階に着くと、二人は客に会った。40代くらいの男性だった。

自己紹介を通じて、薇薇はこの男性が林大豪という名前で、電子部品製造会社を経営していることを知った。

さらに、林大豪は彼女と江雪にも名刺を一枚ずつ渡した。

名刺をバッグにしまうと、薇薇...