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53話

「ビール瓶を手に取り、ふらふらと赤髪に近づいて、軽く肩を叩いた。「赤髪兄ちゃんだよね?」そう言いながら、わざとビール瓶を彼の前に置き、黄茜の肩を抱き寄せて、にこやかに言った。「黄茜は俺の彼女なんだ。前から君の話をよく聞いてたよ。いい奴だって、義理堅いって。一杯やろうぜ?」

赤髪の顔色が変わった。何か言い返そうとしたが、向かいにいる飛子を見て我慢したようだ。「お前、黄茜の彼氏だって?俺、黄茜からそんな話一度も聞いたことないんだけど?」

「付き合い始めたばかりだから、知らなくても当然だろ。なあ、俺が黄茜と付き合うのに何か文句あるのか?」

赤髪は怒りを必死に抑えながら言った。「別に文句なんかな...