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45話

その瞬間、俺はまるで空気の抜けた風船のような気分になった。もう奴らと命がけで戦う覚悟をしていたのに、張暁晴の首に突きつけられたバネナイフを見て、躊躇ってしまった。その一瞬の迷いが命取りとなり、連中が駆け寄ってきて俺を再び地面に蹴り倒した。今度は全力で俺を殴りつけ、血を吐くほど痛めつけられても、彼らは手を緩める様子もなかった。

張暁晴のもごもごとした声が再び聞こえてきた。何を言っているのかはわからなかったが、俺のことを心配してくれているのは感じ取れた。気づかないうちに、俺は彼女の心の中である程度の存在になっていたのだろう。

どれくらいの時間が経ったのか、頭に大きな足が乗っかり、風よりも冷たい...