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404話

「雪、はっきり言っておくよ。ことわざにもある、龍より地元の蛇と言うだろう。俺は地元じゃそれなりに顔が利くけど、あくまでもあの街の中だけだ。ここは初めてだし、しかも都だからな。いろいろと手が回らないことも多い。俺と昊霖の二人だけで来たし、仲間たちも連れてないんだ」

「つまり、あの人のバックが怖いの?」慕容雪は真剣な表情で私に尋ねた。

「そういうわけじゃない。どんな大物でもお前より大物なわけないだろう?ただ、やりにくいなと思ってな」

「じゃあ、遠回しに断っているってこと?」

彼女のその一言で、私は言葉に詰まってしまった。確かに遠回しに断ろうとしていたのに、先に彼女にそう言われてしまっては、...