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122話

初めて馬友春に出会ったのは学校のトイレだった。意外だったのは、馬友春が想像していたような筋骨隆々の男ではなく、痩せこけた色白の美少年だったことだ。頭から足先まで真っ白な肌をしていて、短く細かい髪型でもなければ、女性と間違えていたかもしれない。

馬友春は他のチンピラとは違っていた。タバコも吸わなければ、ガムも噛まない。口の中には何も入っていなかったが、唇には血のように鮮やかな口紅が塗られていた。

男で口紅を塗る奴なんて見たことはあるが、そういう連中は変態かオカマのどちらかだ。馬友春はどちらの要素も少しずつ持ち合わせているようで、歩くときはいつも腰をくねくねと揺らし、言動も極めて女っぽく、話す...