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121話

「寝れない?」彼からメッセージが届いていた。

心を読む能力でもあるのだろうか?令儀は返信した。「ちょっとね」

彼からビデオ通話がかかってきて、令儀は胸がドキリとしながらすぐに応答した。

やはり彼は列車に乗っていた。背景から見ると二等席だ。彼は背筋をピンと伸ばして座り、画面には彼の顔のアップが映っていた。こんな至近距離のアップでも、彼はかなりハンサムだ。

「夕食は食べた?」令儀は尋ねた。

「もうすぐ広州に着くから、張師傅たちと会って、その時に何か食べるよ」と彼は答えた。

「さっきも何も注文してなかったじゃない」カフェには食べ物もあったのに、パンやケーキでも少しは腹を満たせたはずなのに。

「……」...