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936話

深く一息吸い込むと、辛辣で鼻を刺すような香りが一瞬にして心の中から湧き上がってきた。しかし高凡は不思議なことに、このタバコの匂いは確かに奇妙だが、少しも不快感を覚えないことに気づいた。

「俺たちみたいなダメ人間は、大した出世なんてできねぇよ」張浪はタバコを咥え、両手で地面を支えながら、頭を反らせて空に浮かぶ明月を見つめ、ゆっくりと言った。「学校からは追い出されて、親はまるで家畜のように俺たちを飼ってるだけだ。いわゆる正義の味方の前じゃ、俺たちはただのチンピラで、永遠に見下されるんだよ」

「そうだな」張波は煙の輪を吐き出しながら、頭を振って苦笑いした。「ろくでなしの集まりだ。でも自分が何をし...