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909話

うっかり初めての時を失ってしまったのに、心の中に少しの恨みもない。これはまさに信じられないことだった。

「小鳳」抱きしめたまま、高凡は小声で呼びかけた。

孫小鳳は軽く「うん」と返事をして、潤んだ大きな瞳で高凡をじっと見つめた。

「あの箱はまだ鑑定してないのに、どうやって資金を工面するつもりなの？」魅力的な小鳳の体を撫でながら、高凡は彼女に尋ねた。

「大丈夫よ」孫小鳳は自信に満ちた笑顔を浮かべ、優しい声で言った。「県に親しい友達がいるの。彼女は県の書記の秘書をしてるから、まず彼女に保証人になってもらって、信用社からお金を借りるわ。箱の鑑定が終わって、いい値段で売れたら、そのお金で返済すれ...