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886話

「わ、私は下のほうが具合悪くて……林浩然がいつも色っぽい目で見てくるから、私……行きたくないの」秦雪は言葉を途切れさせながら、そう言い終えると、頭をほとんど自分の胸元まで埋めるようにうつむいた。

高凡は少し戸惑い、思わず呟いた。「下のほう??」

月明かりの下、村の南端にある小石村では、高く積まれたトウモロコシの山の上に、今まさに二人が腰を下ろしていた。

高凡はしばらく呆然としていたが、ようやく反応し、自分の顔も少し赤くなった。だがすぐに思わず唾を一つ飲み込み、口を開いた。「それで、下のほうはどうしたんだ?」

「病は医者に隠すな。大丈夫だよ、実は今の俺は完全に医者の役目が果たせる。どうな...