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870話

「師匠、どうしたんですか?道理から言えば、趙の寡婦には何があっても私たちに一食くらいおごってもらうべきですよね」と青年が口を開いた。今回の件は自分の師匠らしからぬ振る舞いだと思ったのだ。

「何を食うか、お前はあの箱を見なかったのか。思わぬ幸運だったな、本当に何か出てきたとはな。あれはどう見ても骨董品だ。一食の食事よりずっと価値がある。早く行くぞ、あの小僧を小川の前で待ち伏せして、あの品を奪い取るんだ!」と老道士は言いながら、弟子の頭を叩いた。

この一撃で青年はようやく悟った。これまで彼の視線は趙の寡婦にばかり注がれていて、そのことに気づかなかったのだ。あの品はあんなに深く埋められていたし、...