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638話

「義姉さん……」

頭の中で轟音が鳴り響き、私は喉の奥で唾を飲み込むのがやっとだった。思わず義姉さんに向かってゆっくりと足を踏み出していた。

「ま……馬宏……私……」

義姉さんは恥ずかしさで目に涙を浮かべ、慌てて横にあった毛布を引き寄せて体を覆った。

私も自分がどうしたのか分からなかった。一歩一歩と彼女の前まで歩み寄り、思わず手を伸ばして彼女の可愛らしい顔に触れようとした。

義姉さんは慌てふためいて私を押しのけようと手を伸ばしてきたが、私はその小さな手をしっかりと掴んだ。指先がどこかねっとりしていて、何だか想像するまでもなかった。思わず頭を下げて、彼女の濡れた指を口に含んだ。酸っぱくて...