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610話

「義姉さん、僕を呼んだの?」

僕は激しく鼓動する心臓を抑えながら、小声で言った。「僕です、義姉さん」

「入って、ちょっと手伝ってくれない?」

入って手伝ってほしいだって?

唾を飲み込み、何度も躊躇した末についにドアを開けた。

布団はベッドに敷かれていたが、人の気配はない。部屋を見回すと、窓際に優美な背中のシルエットが立っていた。朝一番の陽光が彼女の傍らから差し込み、まるで彼女の体に金色の縁取りをしているかのようだった。

義姉さんはドアの開く音を聞いても振り向かず、「後ろの髪がネックレスに絡まっちゃって。早く来て解いてくれない?」と言った。

そこで初めて気づいたが、義姉さんはセクシ...