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600話

「私たちは息の合った掛け合いで、この母子を完全に黙らせた。

秦晴は適当に身の回りの物を詰め込み、ベッドサイドテーブルにキャッシュカードを置いて言った。「今まで毎月三千元を義母に渡してたから、あまり貯金できなかったの。このカードにはまだ八千元ほど残ってるから、全部あなたたちに置いていくわ」

「秦ちゃん、どうしてそんな薄情なの?私たちを見捨てないでよ」老婆は焦り、大声で泣き始めた。鼻水と涙でぐしゃぐしゃになりながら、見るからに悲しそうな様子だった。

「そうだよ、晴晴、行かないでくれ。今までは俺たちが悪かった。直すよ、必ず直すから。これからはちゃんとお前を大切にするから」秦晴の夫も手を伸ばし、...