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591話

その見物人の群れも、周老の手配に違いない。硬い笑みを浮かべながら立ち止まって拍手を続けている彼らに、周老がもう一度目配せをすると、ようやく人々は散り始めた。

すぐに、広場は随分と静かになり、全員が雨の中、校門の前に立っていた。

周老は笑顔に切り替えて義姉の前に進み出ると、手を差し出して言った。「張社長、はじめまして。当校の教導主任で党支部書記を務めております周勤と申します。当校へのご来訪、歓迎いたします」

まさに笑顔には拳を振るえぬとはこのことで、義姉もビジネススマイルを浮かべながら軽く握手して応じた。「今回は貴校を見学させていただくにあたり、学校側のご協力をいただかなければなりません」...