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557話

「そうだ、急に思い出したんだけど、水の元栓はどこにあるか知ってる?」

私は急いで尋ねた。

「確か洗面台の下の壁の中にあったと思う。前に水道の修理の人が開けるのを見たことがあるわ」

「案内してくれ」

私はそう言った。

すると彼女は再び私の手を引いて浴槽から出て、洗面台の方へ連れて行ってくれた。

私はしゃがみ込んで、動かせるタイルを手探りで見つけ、指で端をつかんで開けた。中に手を入れて元栓を探り当て、急いで力を込めてひねった。

噴き出していた水は、しばらく配管内の残りの水を吐き出してから、ようやくゆっくりと止まった。

湯気はすぐには消えない。私は彼女に言った。

「配管を確認させてくれ」...