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502話

「小雅……」

義理の娘の質問に、私はまったく答えることができなかった。

しかし彼女はすぐに手を引っ込め、立ち上がって浴室を出て行った。

私は浴室に呆然と立ち尽くし、外から彼女が服を着る音だけが聞こえてきた。浴室から出た時には、彼女はすでに服を着終えていた。

彼女は淡々と私を見つめ、その表情が冷淡なのか無感情なのか判別できなかった。

「小雅」

「行くわ、お父さん。明日の午前中にチェックアウト時間だから、フロントには私から話しておくから、朝はそのまま出ればいいわ」

私は黙ったまま、義理の娘が一方的に話すのを聞いていた。

「それと……今日のことは、私も、いいわ、お父さんは忘れて。私も...