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488話

「お父さんって呼ばないなら、何て呼べばいいの?だってあなたは私のお父さんでしょう」

義理の娘はそう言いながら、突然私に近づいて、「じゃあ、宏お兄さんって呼んでみようかな」

「小雅、お前!」

言いかけた時、エレベーターのドアが開いた。

私は言葉を飲み込み、義理の娘が勝ち誇ったような笑みを浮かべながら先に出ていくのを見ていた。

エレベーターの外は長い廊下が続いており、私は義理の娘についていき、いくつものドアを通り過ぎてようやく、少し違った様子の部屋の前で立ち止まった。

「ここよ、お父さん、ドアを開けてくれる?」

義理の娘はそう言って、ルームカードを私に渡した。

私は...