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487話

「私としては少し困っています。今は周りに人がいないとはいえ、ホテルのロビーに入れば必ず人と接触することになるでしょう。

娘婿と自分がこんなに親密にしているところを他人に見られたくないのです。

しかし彼女は全く気にしていない様子で、私の言葉を聞こえないふりをして、私の腕を引っ張りながらホテルの入口へと向かっていきます……

仕方なく彼女の足取りに従い、薄暗い駐車場から明るく輝くロビーへと足を踏み入れました。

「いらっしゃいませ!」

フロントの後ろにいる数人のスタッフが同時に立ち上がって挨拶をしてきました。ごく普通の光景なのですが、まるで背中に針を刺されたような気分です。誰かが私と娘婿とい...