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461話

甘い女性の声だった。途切れ途切れで、何かを耐えているようだったが、すぐにその声の正体を確信した。

嫁か?

他に考えられない、間違いなく彼女だ。

だが彼女は……なぜこんなことを?信じがたいことだが、これは疑いようもなく嫁が自分を慰めている声だった。

途切れ途切れでありながらも、まるで鎖のように私を引き寄せるその声に、思わず足が音の源へと近づいていった。

意外なことに、その声は書斎の向かい側、つまり主寝室の方向からは聞こえていなかった。

主寝室のドアは固く閉ざされていたが、それでも嫁が痛みを必死に堪えているかのような吐息が、はっきりと聞こえてきた。

さらに近づくと、ようやく音の発生源...