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458話

「左右を見渡しても、タオルが見つからなかった。仕方なく、その寝間着で前を隠しながら、手を伸ばしてドアを開けようとした。

しかし、私の手がドアノブに触れる直前。

突然、ドアが押し開かれた。

不意を突かれた私は慌てて後ずさり、足を滑らせて後ろに倒れかけた。

「お父さん!」

玄関から義理の娘の驚きの声が聞こえたが、実際には大した問題はなかった。長年の鍛錬で培った運動神経のおかげで、洗面台を掴み、後頭部を床に打ち付ける結末は避けられた。

だが同時に……前を隠していたものも手放してしまった。

私はドアに立つ義理の娘を見つめ、彼女もまた私を見つめていた。

私たちの視線の間に……今まさに立ち...