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456話

「今までまったく気づいてなかったけど、今考えてみると、確かに少しお腹が空いているな」

私はリビングのソファに座り、嫁が次々と家庭料理をテーブルに運んでくるのを静かに待っていた。

「小雅、作りすぎじゃないか?私たち二人だけじゃ、こんなに食べきれないよ」テーブルにはすでに四品も並んでいたが、嫁はまだ厨房から皿を運び出していた。

「大丈夫ですよ、食べきれなかったら残しておけばいいじゃないですか。お父さん、久しぶりに帰ってきたんだし、私たち何日も一緒に食事してなかったんですよ。今日は二人きりだし、明日はお仕事もないんだから、少し飲みましょうよ」嫁は六皿目の料理を運んできて、赤ワインのボトルも置い...