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297話

「兄さん、だめ」

最後の瞬間、彼女は何を思ったのか躊躇い始め、震える声でそう言った。

麗麗がそう呼びかけた途端、私もはっと我に返った。自分の今の体勢に気づき、慌てて身を引き、戸惑いながら尋ねた。「麗麗、どうしたんだ?」

困惑している私の顔を見て、麗麗は心を痛め、すぐに私の胸に飛び込んできた。小さな手で私の頬を撫で、優しい声で言った。「兄さん、責めてるわけじゃないの。本当は私も中に入れて欲しかったけど、でも私たち……」

麗麗はそう言ってくれたけど、私はすぐには自分を許せず、気持ちはまだ落ち込んだままだった。

そんな私を見て、麗麗は目をくるりと動かし、突然私をきつく抱きしめ、激しく体を揺...