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1006話

しかし、今となっては後の祭りだ。彼女がたとえ気が変わっても、もう手遅れだった。

「いやはや、こんなものは手元に置いておくと災いの元だよ」孫爺さんは軽くため息をつくと、名残惜しそうに箱を高凡に返しながら、真剣な表情で諭した。「凡凡、これはしっかり保管しておくんだぞ。いつか村を出られる機会があれば、大金持ちになれるんだ。そうしたら、小鳳にもその恩恵を分けてやりなさい」

「え…あ?」高凡はその言葉を聞いて、一瞬戸惑い、それから驚いたように孫爺さんを見つめた。

孫爺さんは高凡を横目で見て、鼻で笑いながら言った。「わしが年寄りだからって侮るんじゃない。若い者同士のことだから、わしはあれこれ口出しす...