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チャプター 830

しかし王迪が昨日紅姐と過ごした場所に駆けつけても、紅姐の姿はなく、茅の上に残された血痕だけがあった。どうやら紅姐は別の方向へ去ったようだ。彼女は王迪に自分の惨めな姿を見られたくなかったのだろう。

紅姐を見つけられなかった王迪は再び山を下り、バイクに乗って直接柳樹鎮へ向かった。桃花溝には戻らず、みかんの件に関わる気力も失せていた。村長と楊窯子に電話をかけ、彼らに後を頼んだ。王迪は市内へ行くつもりだった。紅姐が困っていると知りながら見過ごすことなどできなかった。

王迪はバイクを三友修理工場に停め、市内行きのバスに乗り込んだ。虎堂の本部がどこにあるか知らなかったが、誰かに聞けばいい。虎堂の連中を...