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チャプター 480

今日の王迪はジーンズにTシャツという出で立ち。当時の基準では都会でもこれはおしゃれな装いだった。首に黒い紐で下げた輝く古銭が、彼にある種の格好良さを与えていた。

「ハンサムくん、どこへ行くの?」当時は若い男性を「ハンサムくん」と呼ぶのが流行っていた。そう呼べることが、本当の都会的なおしゃれ人の証のようだった。この娘も市内の女性に違いない。さもなければ、先ほどあんなに大胆な態度は取れなかっただろう。

「ああ、特に用事もなくて、ただぶらついてるだけだ」

「そう、私もちょうどぶらぶらしてるところ。一緒にどう?ついでにお礼にご飯でも奢るわ」都会の娘は大胆だ。当時の都会の若者は皆「出会いは縁」とい...