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586話

張輝が振り向くと、そこには六十歳ほどの老人が立っていた。白髪に童顔で、眉毛も髭も異様に長く、風に揺れるさまはまるで浮遊する塵のようだった。

老人は少し腰を曲げ、杖を突いていた。全体的に仙人のような風格があり、神秘的な雰囲気を漂わせていた。

だが、張輝はその眼差しに気づき、どこか測り知れない深さを感じ、その表情には微かな翳りが見えるような気がした。

もちろん、今はそんなことを詮索している暇はなかった。

張輝は老人を見つめ、意地悪く笑いながら言った。「おじいさん、あなたは...」

「なんだおじいさんって、張輝、この方は私たちの元老会の大長老、梅長老よ。明羽家族では徳の高い方で、族長でさえ...