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521話

翻日は正午の9時、張輝と山田雅子は時間通りに青々とした木々に隠れた寺院に到着した。

まるで何年も誰も訪れていない、人に発見されたことのない場所のようだった。

二人が大きな門を押し開けると、キィキィという奇妙な音が山谷全体に響き渡り、周囲の静けさを引き裂いた。その瞬間、言い表せない不気味な感覚が心に忍び寄ってきた。

二人が中に入ると、寺院内は人の背丈ほどの雑草が生い茂っていた。昼間にもかかわらず、周囲は極めて暗く、どんよりとした天気が辺り一面に不気味な雰囲気を漂わせていた。

一陣の冷たい風が吹き抜け、山田雅子は思わず身震いし、張輝の側にぴったりと寄り添った。

張輝は彼女を横目で見て、口元...