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503話

順風号クルーズ船、それは非常に豪華な大型客船だった。今、趙家の港に停泊している船の中で、唯一この客船だけが異質に見えた。まるで一羽の孔雀が丸裸の鶏の群れの前に立っているようなもので、それがさらにその豪華さを際立たせていた。

このクルーズ船はちょうど出航しようとしているようだった。なるほど、張宗山が張輝にわずか十分しか時間を与えなかった理由はこれか。

張輝が岸辺に駆けつけると、クルーズ船に架けられた渡り板はすでに半分ほど撤去されていた。

「まずい」と胸の内で呟き、張輝は深く息を吸い込むと、徐々に引き上げられつつある渡り板を踏みながら、素早く前方へと走り出した。今や船との間には三、四メートル...