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236話

張輝はそれを気にも留めなかった。彼にとっては大したことではなかったのだ。ドアの鍵を適当にいじくると、カチッという音がして、内側からかけられていた鍵が外れた。

張輝は思い切り蹴り上げると、ドアが開いた。

医務室の中には、楊林と秦景天しかいなかった。

今、秦景天は楊林に回転椅子に縛り付けられていた。楊林は片手で秦景天の首を掴み、もう片方の手には注射器を握り、いつでも秦景天の首に注射できる構えをとっていた。

楊林は張輝を見ると、すぐに慌て始め、不安げに叫んだ。「張、てめぇはさっさと消えろ。さもないと、容赦しねぇからな」

張輝はまったく動じず、口角を歪め、彼特有の悪い笑みを浮かべながら、手近...