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50話

徐若溪は龍彤樱の声のトーンの違和感に気づいたのかどうかもわからないまま、すぐに言った。「私もそっちに向かってるところよ。じゃあ、後で会いましょう!」

そう言うと、電話は切れた。

徐若溪にとって、この緊急時に龍彤樱と連絡が取れたことは、これ以上ない幸運だった。

彼女は龍彤樱がこの間どこにいたのかを問いただすことはせず、ただ韓山をこの監獄から救い出してほしいと願うだけだった。

五分後、龍彤樱は下山市監獄の門前で徐若溪と会った。徐若溪の顔色は疲れ切っており、目は赤く腫れていた。

「彤樱、何か方法を考えて!どうやったら韓山を救い出せるの?今日中に何も思いつかなかったら、黎強に殺人罪で起訴されちゃうわ...