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297話

韓山のその言葉を聞いて、徐若渓は泣きそうになった。まさか胸当てを弄びながら「面白い」などと言う人間がいるとは。

「韓山、このブラジャーは私のじゃないわ!」徐若渓は韓山が手放す気配がないのを見て、思わず叫んだ。

瞬間、部屋の空気が妙に凍りついた。

韓山は唖然とした表情で手に持ったブラジャーを掲げ、徐若渓を見つめ、顔に戸惑いの色を浮かべた。

「早く置いて!」徐若渓は素早く前に出て、その乳白色のブラジャーを韓山の手から奪い取った。

そのとき、ドアがまた開き、龍彤櫻が外からゆっくりと入ってきた。

「若渓、私のブラジャー見なかった?」龍彤櫻は入るなり徐若渓に声をかけた。

龍彤櫻は徐若渓の手...