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67話

「おばあさんの心配そうな眼差しに、戴月荷は胸が痛んだ。宋初心に無理しないよう説得して、貧しくても構わないと伝えたい気持ちは十分わかっていた。

でも、それはできないことだった。あの秘密を打ち明けられた時から、彼が平凡な生活に甘んじる人間ではないことを知っていた。義姉の言葉は、ただ彼の心に眠る夢に火をつけただけなのだ。

「お母さん、彼の好きにさせてあげましょう。最悪でも銀十両の損失でしょう。家に閉じこもらせたら、余計に人から狂人扱いされてしまいますよ」

陸家にいた頃、戴月荷は日々従順に趙氏の命令に従い、もともと口数の少ない彼女は特に木訥に見えた。

しかし宋家では、孫氏は優しく、平平は活発で愛ら...