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62話

「ああ、まだ敷居を越える前に、戴月荷の腕が柳氏に引っ張られてしまった。彼女も好意からだった。陸金貴が今や出世して新しい妻を迎えたことを伝えて、過去の傷から早く立ち直ってほしいと思ったのだ。

「あなたが元気そうで何よりだけど、一つ言っておきたいことがあるの。聞いても悲しまないでね」

少し躊躇った後、柳氏は突然自分が残酷なことをしているように感じた。夫が貧しかった時、この娘は何も幸せを味わえなかったのに、金持ちになったら妻を離縁して別の女を娶るなんて、知ったらさぞ辛いだろう。

でも黙っていては戴月荷に申し訳ない。離縁したならそれまでだが、人の評判まで落とすなんて、あの親子は本当にろくでもない...