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56話

宋初心がまさに自分の秘密を打ち明けようとした瞬間、背後の罠から音が聞こえてきた。

愛らしくも間抜けな様子の兎が一匹、中に入り込んできた。あちこちに転がる野イチゴを見つけると、その小さな体は途端に興奮し始めた。まず一回転してから、野イチゴを抱えてかじり始めた。

おそらく同族が食べ物を食べる音を聞きつけたのだろう、すぐに数匹の小さな灰色の兎たちも中に入ってきた。嬉しいことに、彼らはみんな丸々と太っており、長い耳をだらりと垂らしていて、見ていると特別可愛らしかった。

「あなたの罠が効いたわ。まさか本当に獲物が入るなんて思わなかった。すごいわね」

背後の罠に数匹の兎が入り込んだのを見て、戴月荷...