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50話

「がたん」と椅子が青い煉瓦の床に倒れ、それほど大きくない音を立てた。熱心に息子に向かって、もう狂ったように馬鹿なことを言うなと言い聞かせていた孫氏は、すぐ近くの軒下に立っていたにもかかわらず、その音に気づかなかった。

「おばあちゃん、二叔の部屋で影絵芝居やってるよ。ほら、人影がゆらゆら動いてる」

昼寝から目覚めたばかりの平平が、まだ眠たげな目をこすりながら、ぽっちゃりした小さな手で宋初心の部屋の窓を指さした。

母子二人が彼女の指す方向を見ると、確かに彼女の言う通り、何かがあるようだった。二人は顔を見合わせ、部屋の中で一体何が起きているのかと考えていた。

「まずい、月荷が何か考え詰めたん...