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157話

昼食は戴月荷と小紅が一緒に準備し、孫氏は欣悦を抱きながら、夫と共に張老人がクリームを作る様子を見守っていた。

この夫婦は普段は目立たないものの、人付き合いにおいては確かに一家言あった。

わずかな時間で、二人は張老人のほぼすべての情報を引き出していた。

彼の故郷は極北の草原で、ある年の干ばつで牛や羊をすべて失ったという。

牧人が家畜を失うことは、農民が田畑を失うのと同じくらい悲惨なことだった。

おまけに張老人には子供もいて、中原の地が豊かだと聞き、家族と共に運試しにやって来たのだという。

だが道中で盗賊に遭い、家族とはぐれてしまったのだ。

それからは一人で各地を放浪し、重労働で糊口をしのいできた...