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143話

人というのは皆同じものだ。自分の利益に関わるとなれば、自然と気にかけてしまうものである。梅玉諾が雲雀子たちに無理やり協力させようとしたのも、そういう計算があってのことだ。

彼女は彼らを信用していないわけではない。ただ、この件は自分が元の時空に戻れるかどうかに関わる重大事だ。だからこそ慎重になり、彼らに全力を尽くしてもらいたかったのだ。

一行が梅府に戻ると、雲雀子たちはすぐに家中の銀票をかき集め、合わせて十万両を梅玉諾に渡した。

彼らがこれほどの大金を貯めていたのは、皆無縁無碍で大道を追い求める身であり、日頃はほとんどお金を使う場所がなかったからだ。

彼らの銀票を受け取った梅玉諾は、口元...