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107話

一行が家に着いたのは、もう空がすっかり暗くなった頃だった。戴月荷を部屋に案内した後、孫氏は彼女に休むよう言いつけてから、部屋の戸を閉めて出て行った。

「おばあちゃん、お母さんは今日どうしたの?」

どうしても寝室に戻ろうとしない平平は、心配そうな顔で戸の外に立ち、大きな瞳に涙を浮かべていた。おばあちゃんがようやく出てきたのを見て、急いで戴月荷の様子を尋ねた。

子供の心は最も澄んでいるもの。戴月荷が自分にどれほど優しくしてくれるか、平平が一番よく知っている。母が病気になったと知り、不安で落ち着かず、どうして眠れるだろうか。

「平平、いい子だね。先に夫子と一緒に休みなさい。お母さんはただ疲れ...