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96話

「あっちへ行け、冗談じゃない。思琪さんは鉄柱の親友だし、俺は鉄柱の兄貴分だぞ。そんな手が出せるわけないだろう。余計な事を言うな」老李は手を振り、老劉の言葉に本気で腹を立てていた。この不埒な年寄りを殴り飛ばしてやりたいくらいだった。

「いいから、鉄柱の友達だからなんだっていうんだ。鉄柱はお前のボスに気があるわけじゃないだろう。それに『思琪さん』『思琪さん』って呼んでるじゃないか。もう隠せないだろう。俺の件は明日必ず聞いておいてくれよ。もう邪魔はしないから休めよ」老劉は立ち上がり、老李の肩をポンと叩いた。老李が次の暴言を吐く前に、さっさと逃げ出した。

老劉を見送った後、老李はソファに座りタバコ...