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717話

「この状況だと、この映画館で出会った遊び心のあるおっさんが、お袋を落とすのは間違いないだろうな」王浩は、そのときは自分が口実を作って早めに退散し、二人に場所を空けてやろうとさえ考えていた。長い間抑圧されてきた欲望を抱える母親が、威厳のある年上の男性を前にしたら、きっと媚びまくるに違いない。

さらに重要なのは、王浩が想像する母親の姿だった。老李のあの恐ろしいものを目の当たりにし、さらには触れたり口に含んだりする時、母の心は衝撃と喜びで満ちあふれているだろう。

そのとき母は、この強くたくましく、そして立派な男を家に連れてきた息子に感謝するのだろうか?

王浩はそれ以上考えるのをやめた。自分の母...