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692話

李さんが話し終えた後、本来なら浩の考えを打ち消せたと思っていた。何しろ李さんの心の中では、自分と敏の関係は高校生の浩よりもずっと親密なはずだったから。

敏がそう言ったなら、李さんは当然彼女の意思を尊重するだろう。李さんが以前敏にあの若いカップルについて尋ねたのも、純粋な好奇心からに過ぎなかった。あの清楚な玲さんについては、乃茶の妹のように清純で可愛らしい若い娘に対して、李さんはそれほど強い体験欲求を持っていなかった。

何より年齢差が大きすぎると感じていた。自分のような逞しい四十代の中年男が、痩せて幼い十六、七歳の少女を抱いて愛するなんて、李さんにはその光景があまりにも奇妙で、そして罪深く感...