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617話

潘文清は大きく息を吸い込み、口の端からはキラキラとした唾液が大きく溢れ出ていたが、誇りを感じる余裕もなかった。今の彼女の意識は自分の状態に向けられておらず、背後の悪魔のような男に解放を懇願する時間すらなかった。

なぜなら、その時彼女は背後の見知らぬ男が自分の携帯電話に出たことに気づいたからだ。

潘文清は恐怖に満ちた目で前方を、自分の寝室を見つめた。間違いなく、その電話は夫からのものだった。

「もしもし、こいつの旦那さんかい?今ちょうどお前の嫁さんを弄ってるところだよ。本当に淫らな女だな、お前の嫁は」老李は何を考えたのか、電話に出るなり潘文清の夫にそう言い放った。

潘文清は目をきつく閉じ、唾液と...