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418話

「張敏が恐る恐る二歩前に進み、エレベーターの前を通り過ぎようとした時、エレベーターがまだ動いているのが見えた。誰かが上ってくるようだった。この恐怖に張敏はさらに怯え、それに続いて彼女を崩壊寸前まで追い詰める刺激が襲ってきた。

老李も興奮のあまり荒い息を繰り返し吐いていた。目の前で密着している柔らかな肢体は、一歩動くごとに彼に強烈な締め付けを感じさせ、奥の壁までもが激しく震えていた。老李は今すぐにでも爆発したい衝動に駆られていた。

エレベーターを過ぎ、張敏が疲れ切った様子で非常階段の小さなドアを開け、老李と一緒に階段室に入ると、中は非常に静かで音が澄み渡るほどよく響いた。わずかな物音でも張敏...