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25話

少し経って、李さんは気持ちを落ち着けると、まだ台所で忙しく立ち働いている梁芳に向かって言った。「お義姉さん、先に失礼するよ。家にちょっと用事があるもんで」

「あら、気をつけてね!」梁芳は返事をしたが、出てくることはなかった。

李さんも気にせず、ドアを押して外に出た。もう夜になっていた。家に帰ると顔を洗い、テーブルの上に置かれた笑顔いっぱいの写真を見つめ、ため息をついた。

あの頃、李さんは確かに梁芳に恋心を抱いていたが、自分の妻のことも大切に思っていた。彼女は梁芳ほど美人ではなかったが、優しく賢い妻だった。特に李さんのことを自分以上に大事にしてくれていた。

「お前がまだ生きていたら、どん...