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965話

葉天明は苦笑いを浮かべた。「紅姑さん、私はお礼なんて求めていないんだ。このお金はひとまず預かっておいてくれ。来年もここでエビの稚魚を仕入れるつもりだから、その時は卸値で売ってくれればいい。あなたたち母子は生活もあるだろう。この金額では大金持ちにはなれないだろうけど、少なくともしばらくは楽になるはずだ」

紅姑の胸に感動が押し寄せ、葉天明を見つめる美しい瞳に涙が浮かんだ。彼女は小さく頷いて「葉先生、それでも感謝の気持ちは伝えたいです」と言った。

「葉先生、私を助けてくれてありがとう!」水霊も続けて言った。

葉天明は手を振って、紅姑の熱意に少し戸惑いながら、テーブルから水霊が宿題をしていた紙と...