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772話

二人は追いかけっこのように山道を進んでいたが、沈薇薇は驚愕した。どれほど頑張っても叶天明の足取りに追いつくことができず、ただ彼が山頂に到達していくのを目を見開いて見送るしかなかった。

沈薇薇はようやく山頂にたどり着くと、地面にどっかりと腰を下ろして激しく息を荒げた。可愛らしい顔には赤みが差し、額には汗が浮かび、微かに巻いた美しい髪が白い肌に張り付いていた。豊満で丸みを帯びた胸は荒い呼吸に合わせて上下に揺れていた。

「あなた……どうやってそんなことができるの!」沈薇薇は信じられない様子だった。彼女は日頃から運動をしており、一般人よりずっと体力があるはずだった。理屈の上では、インテリ然とした叶...