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76話

彼女のあらゆる抵抗は、どれほど虚しく無力に思えたことか。いつしか自分でさえ、その甘美さに溺れていった。彼の舌が歯を押し開き、自分の舌と絡み合うまで。

柳韻は力なく身をよじらせた。葉天明の舌が彼女の口腔を埋め尽くし、窒息と痺れるような感覚が一瞬で理性を押し流してしまう。

彼女は無力な「うぅ…」という声を漏らし、やむなく葉天明の手の好きなようにさせるしかなかった。

「お母さん、助けて」

葉天明は柳韻の唇の端を吸いながら、情欲に溺れるように言った。

柳韻は顔を赤らめ、震える手でおずおずと葉天明の硬くそそり立つ部分へと伸ばした。

「はっ!」急所を柳韻に掴まれ、心地よさに思わず息を飲む。彼は彼...