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649話

葉天明は彼の身体から漂う濃厚なタバコの匂いを嗅ぎ、吐き気を催した。

彼はタバコの匂いが嫌いなわけではなかったが、塗鎮長の体から漂うタバコとコロンの香水が混ざった匂いは本当に苦手だった。

「塗鎮長、うちの村は道路整備とインフラ建設が必要なんです。何とか助けていただけませんか?貧困村は年に一度、五万から十万元の補助金を申請できるはずですよね?」葉天明はこの機会を逃さなかった。

今回鎮に来た目的は二つ。一つは池歓の戸籍のこと、もう一つはこの補助金のためだった。

エビの養殖で確かにある程度の金は稼いだものの、道路や学校の整備には膨大な資金が必要だ。補助金が獲得できれば、少ない労力で大きな成果が得ら...