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639話

「葉天明は大理石の卓に置かれた入浴用品が詰まった竹籠を一瞥して促した。

これはまさに天から降ってきたチャンスだ!

珍児と楊桃は周囲を見回した。彼女たちは先ほどあまりに慌てて入ってきたため、入浴用品を外に置き忘れていたのだ。

今から服を着て取りに行くのは、明らかに不便だ!

かといって葉天明に届けさせるのも、彼は男性なので、さらに都合が悪い。

珍児はそう考えていたが、楊桃の思いはそれだけではなかった。

もし自分一人で入浴していたなら、彼女は迷わず葉天明を中に入れただろう。どうせ二人はすでにそういう関係で、彼に全てを見られてしまっているのだから。

だが今は違う。結局、外部の人間がいるのだ。

「楊桃姉...