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603話

「仕方ないな」と葉天明は試着室に入り、別の服に着替えた。その姿も同様に三人の目を引いた。

「この二着、全部包んでください」沈薇薇は気前よく銀行カードを取り出した。

葉天明は眉をひそめて言った。「これ、かなり高いんじゃない?」

「そんなに高くありませんよ。二着合わせて三千九百八十元です!」店員は笑顔で答えた。

葉天明の顔がぴくりと引きつった。「いくら?四千元近くもするの?薇薇、やめておこうよ!」

彼はこんなに高価な服を着たことがなかった。普段は三百元の服を二年間着続け、今着ているものだって百元ちょっとのものだ。教師として、毎日制服をカジュアル着として着回し、かなりの節約をしていた。

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